相続・遺言・遺留分・相続放棄

 相続は、誰でも一生に一度は遭遇する問題。身内の問題なので、第三者に助力を求めるのも気が引けるかもしれません。しかし、トラブルになりやすいのも事実です。
 他の共同相続人との間で遺産分割協議がまとまらない、借金が判明したので相続放棄をしたい、遺言を残したい、遺留分を請求したい(されたけれどどうしていいかわからない)等、様々な問題を解決するお手伝いをします。

1 相続って?

誰かが亡くなると、法律上は相続が発生します。法律(民法)で定められた相続人(法定相続人)が、その人の遺産(財産や借金)を承継することになります。

 

   *相続人の範囲や法定相続分について  

遺言がある場合は、その遺言にしたがって遺産を分配することになります。

また、法定相続人のうち、被相続人(なくなった方)の配偶者、子供、直系尊属(父母や祖父母)については、遺留分といって、法律で定められた最低の取り分があります。遺言が存在し、この最低の取り分がもらえなかった場合、遺産をもらった人に対して遺留分を請求できる場合があります(遺留分減殺請求)。*被相続人の兄弟姉妹には遺留分はありません。

 

2 どんなときに弁護士に相談する?

① 相続人間で遺産分割協議がまとまらない

法定相続人が複数いて、遺言がない場合、遺産の一部について遺言には書かれていなかったというような場合、遺産を取得するには相続人間で遺産分割協議が必要です。
弁護士が相続人の代理人となって、他の相続人と交渉したり、家庭裁判所に遺産分割の調停(または審判)を申し立てて、遺産分割協議の成立を目指します。

 

② 相続放棄をしたい

民法上の相続放棄をすることによって、財産を承継することもできませんが、借金等の負債を承継しないですみます。相続放棄は、家庭裁判所に相続放棄の申述をしなければなりません。事実上遺産を相続しなかったという場合はこれに含まれないので、注意が必要です。
弁護士が代理人となって、相続放棄の申し立てをしたり、書類作成の代行・助言をします。
相続放棄は相続開始を知ってから3か月以内にしなければなりませんが、3か月経った後に借金が判明した場合等、一定の事情があれば3か月経過後でも相続放棄の申述ができますので、まずは弁護士にご相談下さい。

 

③ 遺言を残したい・死後遺言どおりに遺産を分配してほしい

遺言を残すことによって、遺産を受け取る人を自分で決めることができます。
弁護士は、遺言を作成するお手伝いをします。遺言書の保管を弁護士に依頼することも可能です。また、死後遺言どおりに遺産が分配されるように、弁護士が遺言執行者に就任することもできます。

 

④ 遺留分を請求したい

法定相続人のうち、被相続人(なくなった方)の配偶者、子供、直系尊属(父母や祖父母)については、遺留分といって、法律で定められた最低の取り分があります。遺言が存在し、この最低の取り分がもらえなかった場合、遺産をもらった人に対して遺留分を請求できる場合があります(遺留分減殺請求)。
遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から、1年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法1042条前段)。相続開始の時より10年を経過したときも同様ですので、注意が必要です。
弁護士は、遺留分減殺請求の通知をしたり、交渉をします。また、裁判により遺留分減殺請求をすることもできます。

 

3 相談のときに持って行くとよいもの

・除籍謄本(亡くなった方のもの)
・戸籍謄本(亡くなった方の生まれたときから死亡するまでの戸籍)
・相続人の戸籍謄本・住民票(または戸籍の附票)
・遺産の内訳を書いた一覧メモ
・相続人がわかる人物関係図のメモ
・資料(通帳や銀行の残高証明、不動産の登記簿謄本、証券、借入れの請求書等)

*相談時にすべてそろえる必要はありません。
*戸籍謄本等は様々な場面で必要になりますので、できる限り原本を手元にとっておき、金融機関にはコピーをとってもらうとよいです。原本を提出する場合でも、コピーを手元に残しておきましょう。
 

相続人の範囲や法定相続分は、次のとおり民法で定められています。

 

1 相続人の範囲
 死亡した人の配偶者(妻、夫)は常に相続人となります。(*内縁関係の人は、相続人に含まれません)
 配偶者以外の人は、次の順序で配偶者とともに相続人になります。

第1順位
 死亡した人の子供
 その子供が既に死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫など)が相続人となります(代襲相続)。
 
第2順位(第2順位の人は、第1順位の人がいないとき相続人になります)
 死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)
 
第3順位(第1順位の人も第2順位の人もいないとき相続人になります)
 死亡した人の兄弟姉妹
 その兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子供が相続人となります。
 

 なお、相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされます。


2 法定相続分

① 配偶者と子供が相続人である場合
 配偶者1/2 子供(2人以上のときは全員で)1/2

② 配偶者と直系尊属が相続人である場合
 配偶者2/3 直系尊属(2人以上のときは全員で)1/3

③ 配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合
 配偶者3/4 兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)1/4

 なお、子供、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いるときは、原則として均等に分けます。