解決事例

特別縁故 遺言 遺留分

ケース1:相続財産管理人・特別縁故者への財産分与

身寄りがなく亡くなられた同居人を長年世話していた依頼者に、特別縁故者として被相続人の財産の分与が認められたケース

 

1 当事者

依頼者: 亡くなられた方の世話をしてきた男性

 

2 紛争に至った経緯

 約40年以上の友人で、約15年同居していた同居人が身寄りなく亡くなった。同居人は晩年全盲となり、依頼者が生活の面倒を見ていた。数百万円の預金が遺されたが、身寄りもなく、同居人の戸籍謄本を取ろうとしても相続人でないため役所で断られてしまい、相続人がいるか調べることさえできず困っている。

3 解決に至る経過

弁護士が戸籍謄本等を取り寄せて調査した結果、同居人(被相続人)のおい、めいにあたる法定相続人がいることが判明。弁護士から法定相続人に連絡を取ったところ、生前行き来もなく、関わり合いになりたくないので、最後に面倒を見た人がいるのであればその人が財産を取得して構わないとの対応であったため、相続放棄の手続について説明。法定相続人全員が相続放棄したため、相続人が不存在となり、家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申し立てた。その後、相続財産管理人による調査によっても相続人等があらわれなかったため、特別縁故者の相続財産分与を申立て、同居人(被相続人)の遺産の大半を依頼者が取得した。

 

4 委任事務処理上の工夫

法定相続人が存在したことから、法定相続人に相続するか否かをまず意向確認した(相続するという回答だった場合は、相続人に財産を引き継ぐことになる)。法定相続人は相続放棄の意向を示したことから、相続放棄の手続について丁寧に説明し、フォローした。これにより、相続放棄がなされ、相続人不存在ということで依頼者への財産分与が認められることとなった。

 

ケース2:遺言
遺言執行者を指定し、夫婦互いに相続する内容の遺言を作成したケース

 

1 当事者

依頼者:70代夫婦

2 紛争に至った経緯

預貯金や自宅不動産があるが、自分たちが亡くなった場合、ある団体に寄付したいと考えている。どうすればよいか。

 

3 解決に至る経過

死後、不動産を売却して売却金を団体に寄付することを想定していたため、弁護士を遺言執行者として公正証書遺言を作成することとした。夫婦相互に互いの財産を相続させるという内容とした。

 

4 委任事務処理上の工夫

夫婦どちらかが遺言を遺すだけでは、亡くなる順番によってはご夫婦の意図のとおりとならないことから、ご夫婦同時に公正証書遺言を作成した。

ケース3:遺言

死亡したら金銭を贈与するという内容の書面(ただし、遺言書としては形式不備)に基づき、死因贈与の契約があったとして相続人から死因贈与を原因とする金銭が和解により支払われたケース

1 当事者

依頼者:被相続人(遺言者)の事業を支え、世話をしてきた者
相手方:被相続人(遺言者)の相続人

 

2 紛争に至った経緯

被相続人(遺言者)は、生前、被相続人と交際関係にあり、被相続人の事業を手伝い、身の回りの世話もしていた依頼者に対して、依頼者にも内容を告げた上「遺言書」というタイトルで依頼者に死後○○万円を贈与するという内容の書面を遺して逝去した。しかし、遺言書としての形式を備えていなかったため、遺言としては効力を生じなかった。「遺言書」の内容どおり贈与してほしい。

3 解決に至る経過

法定相続人は「遺言書」自体被相続人が作成したものではないとして争ったが、「遺言書」が作成されるに至った経緯等を主張し、最終的には裁判所の和解勧告に双方が応じ、死因贈与の契約があったことを前提として一定額の支払を受ける和解が成立した。

 

4 委任事務処理上の工夫

「遺言書」としては形式は不備であっても、死因贈与の契約成立を裏付ける書面としては有効であると主張し、それ以外に作成された同内容のメモ等を証拠として補充することで裁判所の和解勧告を引出し、解決に導くことができた。


 

ケース4:遺留分

遺言により収益物件を相続し、遺留分を侵害した共同相続人に対し、遺留分減殺請求を行い、和解により代償金を取得したケース

1 当事者

依頼者:被相続人(亡くなった方)の長女
相手方:被相続人(亡くなった方)の次女

2 紛争に至った経緯

母親(被相続人)が亡くなり、父親は母親よりも先に亡くなっていたため、長女・次女が法定相続人となった。母親は一部の不動産を長女へ、その他の遺産(不動産・預貯金等)をすべて次女へ相続させる遺言を遺しており、長女の遺留分が侵害されていた。

3 解決に至る経過

次女が作成した遺産目録、不動産の査定をもとに遺留分減殺請求の訴訟を提起。不動産の評価や収益の内容、次女が母親の逝去直前に引き出した金員の使途等が争いとなった。不動産は収益物件であり、共有とするのではなく金銭的に調整したいという当事者の意向もあり、裁判所からの和解勧告を受け、次女から和解金を受領する内容の訴訟上の和解が成立した。

 

4 委任事務処理上の工夫

不動産が収益物件であることから、相続開始後に発生した賃料についても清算の対象とすることで、依頼者が取得すべき金額を増額する主張をした。